転がることさえ夢中なら

地方の茶の間でジャニオタ。アイドル短歌

アイドル短歌 2015年6月~7月

可能性きらきら纏う男の子 なんて 本当? (ほんとってなに?) 

回ってるのか落ちたのか分からないけれど今度も舞い戻れたよ

夢や希望、理想や愛になるだろう投影される形どおりに

あわれみで星座にされるくらいなら燃えて消えたいと思ってたのに

「今」「今」と言い合う遊び 真剣に掴もうとしたいまは遠くて

いまのゆめ思いだせない まといつく灰水色の憂鬱かるく

繊細なくせに不器用そうな指つかんだペンの先はふるえて

鳥たちの航空法を学ぶのはいつかここから離れるために

立ちすくむあいだに道は閉ざされてようやく気づくいばらのみどり(改)

 

 塚田僚一

情熱と熱情歪む まっすぐに天に焦がれるきみはひまわり 

濃い影と強い光を この体ぜんぶつかっていちばん高く

あなたって優しい顔でつく嘘に愉快なくらい向いていないね

絡みつく蔦を剥がして蹴破って扉の先があると信じる

ぶちまけた星屑はもう標本に戻らず光る尾を引きながら

 

戸塚祥太

なあ毒は甘いんだって 染みついたフレグランスが頁から立つ 

眠れない夜なんてない振りをした掌の中に星座が巡る

 

五関晃一

「想って」と口をつぐんだ青年へ捧げる白詰草の冠

ステップを踏めば星さえ瞬いてあなたの髪に瞼に降るよ

 

橋本良亮

風穴を開けて笑えば年相応 スニーカーの紐きつく結んで

きみの寝顔 ラムネの泡の音でさえ聞こえるような夕方でした

星たちはきみを言祝ぐ 星たちの言葉で 全ての優しい合図で

 

河合郁人

書きさした手紙に埋まるテーブルの下で話そう君のこととか

見たことのない星の名を口ずさむ透明になる呪文みたいに

 

戸塚祥太塚田僚一

なめらかな額に触れて頭蓋骨思う 身動きできないでいる

 

重岡大毅

夕立の街を駆け出せ まだ何も手遅れじゃない 決めさせはしない

 

中間淳太

嘘ばかりうつくしく吐く唇のやぶれぬように鳴らす酸漿(ほおずき)

きたないときれいの天秤釣り合ってどっちがきれいか答えられない

 

神山智洋

シャツと同じくらい漂白した髪のほんとの色は変えられなくて 

飲みこんだ声があること知っている 「余計なこと」を恐れたくない

 

濱田崇裕

屈折がなければ虹はできないと全肯定であなたが笑う

 

桐山照史

盗み見たきみの涙で錆びついた言葉を今も捨てられぬまま

 

藤井流星

だんでらいおん、獅子の歯はぎざぎざに砥いであるけど試してみたい?

燻らせる紫煙だけが正直だった 嘘はそもそも優しいものだ

 

小瀧望

微笑んだ世界を信じる覚悟なら決めたつもりで踏み出した足

 

神山智洋重岡大毅

胸ぐらをつかんで吹き出した踊り場 ポーカーフェイスはできなくていい

 

安井謙太郎

今だけは守られているかもしれない夢も明日も見せないシーツ

 

中丸雄一

有害な電波をキャッチしないようミントタブレット舌下投与 

 

二宮和也

忘れてもいいから思い出してくれ、それだけでいい、なんて嘘だよ

 

浜中文一

瞬きのあいだに今は今でなくなるなんて分かりきっていたはず 

 

加藤シゲアキ

誠実ということは独り善がりだと思う 鱗が流しに落ちる

毛先から雫が落ちた みな傘を差しているから紛れるだろう

言葉より雄弁な目が対峙する世界の色を反射している