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転がることさえ夢中なら

地方の茶の間でジャニオタ。アイドル短歌

「本棚の10冊で自分を表現する」

#本棚の10冊で自分を表現する」というタグに便乗したもの。好むと好まざるとに関わらず影響されてしまった本・憧れの本という感じで。

 

 

八本脚の蝶

八本脚の蝶

 

自死した編集者の日記。本文はWEBでまだ読めます。高校生の頃に出会って、この本に引用・紹介される本を読んだりしました。矢川澄子古川日出男木地雅映子、「最後のユニコーン」とか。「O嬢の物語」は読んでも分からなかったけど。短歌結社「かばん」に所属していたそうで、短歌もあります。彼女が自死した後、当時は所在不明だった木地雅映子はまた小説を出しました。いま読み返すと贅沢な人だな、と思いますが、その人の苦しみなんてその人にしか分からなくて、きっと文字通り死ぬほど苦しかったのでしょう。

関係者のコラムに、穂村弘津原泰水東雅夫の名前もあります。ブックガイドとしてもおすすめ?

 

「父の娘」たち (平凡社ライブラリー)

「父の娘」たち (平凡社ライブラリー)

 

 森茉莉アナイス・ニン野溝七生子尾崎翠についての評伝ふうの本。「偉大な父の娘」としての森茉莉アナイス・ニン、広く少女について。少女というものが好きだし気になるのはたぶん前述の二階堂奥歯とか、矢川澄子の影響でしょうね。矢川澄子の文体は、その奥のどろどろした色々を隠すように綺麗です。翻訳が有名な方ですが、言葉遊びのような詩も綺麗で、小説は苦しくなるくらい。

 

たんぽるぽる (かばんBOOKS)

たんぽるぽる (かばんBOOKS)

 

歌集。キラキラしてぶっ飛んだ感性と言葉。雪舟さんは穂村弘「手紙魔まみ」のモデルでした。読むと、恋愛とはキラキラして美しく素晴らしく輝かしく残酷で生々しくて従うほかはないような衝動なんじゃないかと思ってしまいます。入籍とか、ほほえましくて可愛かったり。宇宙まで吹っ飛んで行ったり。「かわいい」本です。憧れるけれど自分はそうはなれない世界。

 

ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi

ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi

 

穂村弘の「シンジケート」「手紙魔まみ」等が収められた歌集ベスト版。たぶん初めて触れた短歌ってこの辺だった気がします。突き放されるようなイメージとか、私にはわけが分からなかったりとか、でも共感してしまうことがあったりとか。エッセイストとしても有名な方ですね。乙一とか穂村弘とか、世間に上手くなじめないんですー駄目人間なんですー的な方が結婚すると勝手にちょっとがっかりします。面白いけど。 

 

尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

 

高校の頃に読んで「古くなさ」に驚きました。こおろぎ嬢は私だと思ったくらい(まあ、高校生だったから)。淡々として、少し変わっていて、可愛い。「第七官界彷徨」「アップルパイの午後」「花束」が特に好きです。前者二作は定番かも。可愛いと表現してしまうとアレな気がしますが。「第七官界彷徨」は主人公の小野町子(名前と髪を大変遠慮に思っている、赤毛でちぢれ毛の少女)、兄の一助(精神分析医)と二助(下宿の二階で苔の恋愛を研究している)と従兄の三五郎(音楽学校志望)の「変な家庭」の物語。登場人物はみんな失恋したり片恋していたり。片恋って言い方可愛い。

  

聖少女 (新潮文庫)

聖少女 (新潮文庫)

 

戦後くらい、ブルジョア不良少女と少年(青年)、特権階級の近親相姦。白いニットコートを見ると未だに未紀を思い出します。未紀が作った喫茶店の内装がゴスです。未紀がノートに閉じ込めようとしたおはなし。KとLが求めていたもの。こんな世界、二度と成立し得ないだろうなあ。

 

甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)

甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)

 

 戦前の美しい時代。美しい少女モイラと、神さまのように偉きな父林作。モイラは美少女ですが意志や感情がはっきりしておらず、そこがますます男性を引き付け、勝手にくるっていきますがモイラは我関せずです。悪気はありません。そこまで興味も持っていません。無垢な少女はちっとも優しくありません。二階堂奥歯を引用すると「外の世界なんて知らないわ。私は優しい檻の中で生きるの」。

 

川上稔ライトノベルテンキーストアで買えます。

矛盾の力により、「ありえないこと」が起こる都市・東京。西風や夜風と会話し、誰もいない部屋には”Nobody”がいます。主人公の「僕」はある事情で記憶を消すことにし、その副作用で過去の記憶が走馬灯のようにランダム再生されている、という設定で始まります。記憶なので都合よく改ざんされたり、実際には存在しない人物が登場している可能性もあり、つまり主人公は「信用できない語り手」です。掌編が時系列バラバラに入っているので、どこから読んでもいいし通して読んでもいいし、考察してもいい。電撃hpに連載していたとき、分からないなりに夢中で読んでいた記憶があります。

とりあえず長編TOKYOを全力で待機しています。 

 

リンバロストの乙女 上 (河出文庫)

リンバロストの乙女 上 (河出文庫)

 

 

リンバロストの乙女 (下巻) (角川文庫)

リンバロストの乙女 (下巻) (角川文庫)

 

 家庭小説。超おおざっぱに「赤毛のアン」と同じカテゴリ。表紙の蛾の絵が苦手ならマイディア版の赤いチェックの表紙も可愛いよ!(私が持っているのはこっち)

リンバロストの森に暮らす少女エルノラは、父がなく、ある事情から母は冷たい。森から採集した蛾の標本なんかを売って高校に通います。お洒落する描写とか自然の描写とか、とにかく食べ物がすごく美味しそうでつい読み返す本。エルノラ結構完璧超人な気がする。下巻に出てくるエディスとか、人間くさくて途中から気の毒になってきてしまって。同じ作者の「そばかすの少年」とつながってます。そちらもリンバロストの森が舞台。

 

中原淳一の「女学生服装帖」 (少女の友コレクション)

中原淳一の「女学生服装帖」 (少女の友コレクション)

 

戦前~戦中の連載とは思えないくらい。今見ても新しい服のデザイン、少女らしい身だしなみや生き方についてのイラストエッセイ。ちぐはぐな服装を注意し、清潔感のある快く美しい身だしなみを説いています。可愛いスタイル画、折れそうに細い体と大きな瞳の少女たちの絵。品よく可愛くお洒落を楽しむための指南。デザインがちっとも古くないどころか新しい。あんな服を着たかった。

今は「ひまわりや」で中原淳一デザインのブラウスを販売していたり、ユニクロの浴衣に中原淳一デザインの図案があったりします。

中原淳一は女性に求めるハードルが無茶苦茶高いとは思うけど、やっぱり中原淳一の本は素敵です。